515 日出づる処の名無し sage ▼ New!2009/12/12(土) 18:15:22 ID:rnmpEyfi
>>398
某漫画にてこういう話があった。

ある会社の新人社員入社式の光景。その中に風采の全くあがらない男が一人。
しかし、ナレーターはこう続ける。「新人を鹿の群れに例えれば、彼こそがもっとも
大きな角を持つ男なのだ」と。

半年後、同僚の中でも秀でた男はバリバリ仕事をこなし、上司に小さい仕事を
任されるほどになっていた。同期の間でもその男は飲み会でも中心になるほどに。
そして風采のあがらない男はその場でも「僕なんてまだコピー取りだ」とのんびり呟き
周りを笑わせる。
仕事場でも秀でた男は、その男の面倒を見ていた。「しょうがないやつだ」と思いつつも、
そしてお詫びと出された差し入れに、「あれ、こいつに俺の好物教えたっけ?」と疑問に
おもいつつも。

また時がたち人事異動の発表。秀でた男は主任に上がり、上司もその出世スピードに
感嘆する。しかし、その秀でた男の目を釘付けにしたのは、「係長」の文字の下に書かれた
風采の上がらない男の名前だった。

「お前は正直すぎる」と、上司は言った。そしてこう続けた。「やつは人の心に取り入るのが
上手い。あれは一種の才能だ」と。聞けば、その男は入社直後の夏、上司はおろかその上、
果ては社長に至るまで全ての役職者にお中元を出していたという。そして、「噂ではもう
上層部へのパイプが何本もあるって話だ」。秀でた男はそれでも納得いかない。なぜなら
その男は会社に対して一切の貢献をしていないからだ。

517 日出づる処の名無し sage ▼ New!2009/12/12(土) 18:16:05 ID:rnmpEyfi
>>515
続き。

秀でた男は見返すべく今まで以上に働きまくった。しかし、その風采の上がらない男の
昇進スピードはもはや成果では追いつくレベルではなかった。彼が課長のときは相手は部長。
部長に上がったときは、社長の娘を射止め後継者までになっていた。そしてその男が
ついに社長の座を手にしたとき、秀でた男は会社を辞めた。

風采の上がらない男は社内人脈を駆使し、上層部を自分の傘下の人員で埋め、
役員にも工作を図った。もはや、彼の座を脅かすものはいない、そう誰もが思うほどだった。

…時がたち、秀でた男がデスクで開いた新聞にはこういう見出しが載っていた。
「○○物産倒産 負債数千億円」そして写真には記者に囲まれる風采の上がらない男の姿が。
他者の常務となった秀でた男は呟く。「彼が社内工作を駆使し、退陣を引き伸ばしたから
こそここまで傷口が開いたんだ。彼の才能が裏目に出た、ということだな。」

そしてナレーション。
鹿の角の大きさはいわば、性淘汰の極端な例。つまり種の内部において、より多くの
メスを集め、そしてその角をより大きなものへと進化させていく。
しかしながら、大きすぎる角は、捕食者からの逃亡などの外部淘汰においては邪魔者
でしかない。そしてナレーションはこう締めくくる。
「種内淘汰は特殊化すればするほど外部淘汰に対して脆弱になる」と。

521 日出づる処の名無し sage ▼ New!2009/12/12(土) 18:16:58 ID:JD0N5vqt
»515
アフターセロやね。いわゆる「社内闘争に特化した為、外部との争いに無能な社員(のち社長)」の話。